事例レポート

(※ 過去バーションのDSシリーズでの利用事例を含みます)


ITSS-DS事例


NECネクサソリューションズ

エンジニアの専門性を推し量るものさしとして「ITSS-DS」は有効

※ 所属、役職等は記事掲載当時のものです(2007年掲載)

ITSS-DS事例


NECネクサソリューションズ

エンジニアの専門性を推し量るものさしとして「ITSS-DS」は有効

※ 所属、役職等は記事掲載当時のものです(2007年掲載)


 ITスペシャリストを育成し、全社最適のリソースマップを実現するために、「ITSS-DS」を導入したNECネクサソリューションズ。同時に人事制度も刷新、従来のミッションレンジ制度に加え、プロ認定制度を導入した。プロ認定制度の必要条件の-つとして「ITSS-DS」を位置づけ、研修や処遇と密接に連動した人材開発体系を構築している。
人事制度・人材開発制度の全体像
ITSSの位置づけ
人事制度・人材開発制度の全体像
ITSSの位置づけ
 NECネクサソリューションズは2001年4月に、NECグループ企業5社が事業統合して発足した。アウトソーシングサービスやシステムインテグレーションサービス、ITプラットフォームサービスを多元的に組み合わせて提供するサービスインテグレータである。そんな同社がITSS-DSの導入を決めた背景は、「他社と比較して、当社のエンジニアの専門性はどのくらいのレベルにあるのか、技術の市場価値を測る物差しとして、活用することだった」と同社では語る。

 数年前まで同社では、プロジェクト・マネジャー(PM)の育成を積極的に行ってきた。もちろん、このようなマネジメント力もサービスインテグレータにとって重要な要素である。しかし、顧客が最も価値を感じるのは技術力だ。そこで「自社の技術の独自性や優位性を確立し、他社との差別化を図るためにも、スペシャリストの育成を重点的に行う」ことになった。自社にはどのレベルのエンジニアがどれだけいるのか把握するために、2004年度からスキル診断を実施している。

全社最適のリソース配分が行える素地が整った

 対象となったのは、スペシャリスト型キャリアを指向しているエンジニア。技術者約1600人のうち、2004年度から毎年400人以上のエンジニアがテストを受けているという。ITSS-DSによるスキル診断を実施したメリットについて、同社では、「戦略を遂行するためのリソースマップが見える化されたことだ」と指摘する。

 「これまで各事業部でどんな技術をもった人材がいるか、社外と比べて力量がどうなのか漠然としていたが、ITSS-DSの導入により、そういうことが判るようになった。さらに、社員一人ひとりにいつまでにどのスキルをどのレベルまで身に付けられるような育成をしよう、といったリソース戦略についての議論が具体的に行えるようになったことが最大のメリット」と同社では評価する。

 なお、同社では人事制度の変更に合わせて、ITSS-DSを導入した。これまでの職務グレード制度(ミッションレンジ制度)に加え、社内におけるプロフェッショナルの認定制度(「プロ認定制度」)を導入した、そのプロ認定制度の必要条件の一つにITSS-DSの診断結果を位置づけた。その職務に就くための専門性を明らかにし、かつそれに研修や処遇を密接に連動させた人材開発体系を構築している。

 このような体系が構築されたことは、エンジニアにとってもメリットとなった。診断結果によって、将来自分のキャリアを実現するにはどのような経験やスキルを身に付けなければならないか分かるので、「上司にこんな業務に携わりたい、研修を受けたいということを相談できるようになった」と同社では語る。
 しかし、ITスキル標準(ITSS)には課題もあると指摘する。

診断結果には主観が入っていることも忘れずに

 「PMの場合、プロジェクト金額の多寡が、スキルレベルに反映される。たまたま携わっている案件の規模が小さいからといって、スキルが低いとは一概にはいえない。それをどう解決するかが課題です。」(同社)

 さらにITSS-DSについては「スキル診断の結果に主観が入ることを念頭におくべき」だと指摘する。「上司もチェックしますが、あくまでも申告するのは本人です。そこには限界があると考えています。」(同社)

 ITSS-DSには数多くの質問があるため、得られた数値はある程度の客観性は保たれることは間違いない。しかし、その中には多少の主観が入っていることも頭に留めておく必要がありそうだ。


Company Profile

NECネクサソリューションズ株式会社

所在地 本社:東京都港区三田1-4-28 三田国際ビル
設立 1974年9月19日
資本金 8億1500万円
URL http://www.nec-nexs.com/index.html
事業内容 システムインテグレーション事業やアウトソーシング事業、ASPサービス、ソフトウェアの設計、開発、販売、保守、インターネットを利用した電子商取引システムの構築など
担当部署 人事部 人材開発グループ

全社的な人事、人材育成制度の企画・実施。及び人材開発プログラムの企画・運用。


※記載内容は記事掲載当時のものです