本田技研工業株式会社
UISSを人材育成のプラットフォームとすることにより、サービス提供型人材の計画的育成に繋げる
※ 所属、役職等は記事掲載当時のものです
2014年10月3日 掲載
HondaのIT部門は1990年代後半より「上流シフト」を目指して構造改革を進めてきた。しかし、開発・運用から企画へのシフトといったスローガンのような大枠の目標設定はできるものの、具体的な役割やスキルの転換にまではなかなか落とし込めない。転機が訪れたのは、2010年を越えたころ。前3ヵ年中期の「部門重点方針」にヒト施策が盛り込まれ、IT本部として、部門のミッションの見直しも行った。その実現に向け、人戦略立案から推進迄を一貫して強化することになり、IT部門で始めて人材開発部門を設置することになった。
まずは「UISS-DS」の標準版でスキルサーベイを実施
2011年、「UISS-DS」の標準版でスキルサーベイを実施することにした。「まずは自分たちの実力を知りましょう」というのが狙いだった。それまでも、独自の仕組みで見える化はしていた。(1)社内の認定基準に基づく資格制度、(2)業務知識やプログラミング言語などのハウツーや知識有無などに基づくIT部独自のスキル管理。ただし、「実績管理」に近く、育成PDCAは上手く回っていない、運用が形骸化していた――という課題があった。
UISSの導入に際しては、内部で知られていることもありスムーズだったという。ただ、実際に診断してみると、Honda IT内の主担当領域・人材像とUISS-DSの対応関係をマッピングしたが、業務と合致させることが難しいことが判明。また、Honda内の個人の役割、OJTや研修等の人材育成とUISS-DSで浮かび上がる強化策をリンクさせることに悩んだ。
カスタマイズできるDS-Advanceと出会い、すぐに導入準備に
佐藤氏、玉生氏、安藤氏 (写真左から)
そんな折、2012年7月に開催された「CCSF活用自社版スキル体系構築説明会」へ参加。そこで「DS-Advance」の存在を知ることに。説明を聞くと、カスタマイズが可能でHondaの内情に合わせやすいことが判明。また、外部のシステム(ASP)であることも良い方向に働いた。前年に実施したUISS-DSが「診断システム」としてみると良くできたつくりだったことに加え、自社でのメンテナンスも不要。UISSをベースとしているため比較的信用度が高い。外注により導入のスピード感を速くできる――などである。
佐藤氏、玉生氏、安藤氏 (写真左から)
3カ月後の2012年10月には本格的な導入準備にとりかかる。人材開発ブロックに加え、各部室の推進責任者で、ありたい姿(人材像)の定義の検討を開始した。外部コンサルタントや同業他社など外部の知見も取り入れて、翌2013年2月にガイドライン1.5を、翌年の3月には同2.0に改定というハイスピードで導入を進めた。