人材育成コラム

“人財”育成のツボ

2020/5/20 (連載 第132回)

感染症がもたらす社会の変化「ペスト後に芽生えた『自由』」

ITスキル研究フォーラム 人財育成コンサルタント / PSマネジメントコンサルティング 代表

安藤 良治

 STAY HOME週間
 テレビを見る時間が増えました。どのチャンネルでも「コロナ」「コロナ」「コロナ」……
 しかも日本の取り組みを悲観的に報じるもの、政策を批判的に報じるもの、気分がめいってきます。
 一方、台湾や韓国はコロナの封じ込め、感染対策に成功し日常を取り戻しつつあることを報じています。
 この先どうなっていくのかな?

 毎月書いているこのコラムもどうしてもコロナを題材に選んでしまいます。これで4回連続コロナを題材に選んでしまいました。
 このコラムを書いている本日は、5月6日。コロナから離れられないものの、批判的なことは書きたくない! と、思っていたところ、3つの記事や情報が私の気持ちを前向きにさせてくれました。
 皆さんと共有したいと思います。
  1. 国際比較に使える唯一の指標「超過死亡」で明らかになる実態
    死者数という切り口に限定すれば、日本の対策はかなりうまくいっている
  2. イタリア・クレモナ在住の日本人ヴァイオリニスト地元の病院の屋上で演奏
    医療従事者への感謝と患者たちが再び音楽を楽しめる日が来るよう祈りを込め
  3. 感染症がもたらす社会の変化「ペスト後に芽生えた『自由』」

1. 国際比較に使える唯一の指標「超過死亡」で明らかになる実態


 友人のFACEBOOKで紹介があった記事です。
 『比較に使える唯一の指標-超過死亡-で明らかになる実態』
 https://jp.quora.com/q/ehancwrpapwdveis/国際比較に使える唯一の指標-超過死亡-で明らかになる実態/
 記事を読んでご確認いただきたいと思います。この記事からすれば、日本の対策は間違っていない。そう信じて、これから行動しよう!と共感しました。

2. イタリア・クレモナ在住の日本人ヴァイオリニスト地元の病院の屋上で演奏


 5月6日TBSひるおびでイタリア・クレモナ在住の日本人ヴァイオリニストの横山令奈さんが登場し、クレモナの病院屋上で演奏した様子が放映されました。
 4月16日に演奏されたことは、ニュースで紹介され知っていましたが、その映像を見て感動しました。
 クレモナは、感染が急拡大したイタリアの中でも、最前線とされてきた都市で、その最前線の病院で働く医療従事者への感謝と患者たちが再び音楽を楽しめる日が来るよう祈りを込めたという、その演奏は世界中の人々に感動を与えました。
 YouTubeで確認できるので共有したいと思います。視聴回数で得られる広告収入はすべて病院に寄付されるとのことです。
 https://www.youtube.com/watch?v=af1c_zEemvQ

3. 感染症がもたらす社会の変化「ペスト後に芽生えた『自由』」


 5月5日の朝日新聞朝刊の別刷り「知る新型コロナVOL2」の記事に「感染症がもたらす社会の変化 ペスト後に芽生えた『自由』」が掲載されていました。
 ペストの流行が、暗く息苦しい中世から明るく自由な近代への転換をもたらしたという考えを紹介しています。
 中世の西ヨーロッパでは、ペストによる農民の大量死が発生し、極端な労働力不足をもたらしました。そこで領主は農民の労働意欲を上げるために、それぞれに土地を貸し出しました。農民たちは、麦を植えるか、豆を植えるか、羊を飼うかと、自分で考え行動し、その成果も失敗も自身が受け入れることになりました。これが資本主義、自由経済の始まりとなったとあります。


 さて、コロナの対策では、外出自粛により、テレワークやネット授業を急速に進めています。
 日本では、学校の9月入学についての議論も始まりました。コロナがもたらした負の側面から、正面に対峙することで、私たちは本当の「働き方改革」に取り組み、新しい文化、常識を築き始めています。求められるのは、新しい社会、文化を形成する強いリーダーの出現のように感じます。


 さて、このコラムが132号となり、ちょうど11年間毎月続けて掲載させていただきました。長きにわたりお読みいただいた読者の皆さんに感謝申し上げます。
 また、iSRFの田口代表、森田事務局長には、公私共にお世話になるとともにiSRF通信の冒頭コラムを私に委ねていただいたことに大変感謝申し上げます。ありがとうございました。
 そして、私の悪文を毎月校正・編集してくださった編集のご担当、メルマガ配信日に合わせて皆さんに見やすいように工夫して編集いただいたWEBのご担当、大変お世話になりました。おかげさまで全132のコラムが一覧で確認できることは私にとっての財産となっています。ありがとうございました。
 今号を持ちまして私のコラムは終了とさせていただきます。
 読者の皆さま、スタッフの皆さまの益々のご活躍を祈念し、そしてITスキル研究フォーラムが新しい時代の道しるべとして更にご発展されますことをお祈りして、筆をおきたいと思います。長い間ありがとうございました。

安藤良治


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