人材育成コラム
リレーコラム
2010/10/15 (第8回)
インド見聞録
ITスキル研究フォーラム 理事
NECソフト 技術統括部 統括マネージャー 兼)人事総務部 エグゼクティブエキスパート
福嶋 義弘
インドはゼロを発明するなど、数学に強いIT推進国で知られている世界第二 位の人口を持つ大国である。とはいえ、「なぜインドまで行って」という疑問を 持つ読者も多いと思う。この教育の目的の一つに、日々発生する日常の課題にど う対応するか、新入社員の主体性醸成がある。また、インフラが整っていない、 日本語が通じない生活など、日本と全く異なる環境化で生活をすることでストレ ス耐性向上も目的としている。
こうした研修を実施していることもあり、私も渡航歴7回を数える。インドで は、数々のエピソードがあり、話題に事欠かない。今回はインドのクルマ運転の 三原則について紹介する。
(1)インドの車にはドアミラーが無い(ドライバーは前方注意、後方不注意)
約28万円で話題を呼んだタタモタースのナノには、標準装備ではドア
ミラーが装着されていない。走行している車もドアミラーを閉じた車が多
く、中には取れたままの車もある。インドは車が多いため接触事故も多発
しており、ドアミラーの破損が多くそれを防ぐため閉じているようだが、
本末転倒な話である。
(2)フォーンが故障していると走れない
中国、東南アジアどこでも共通であるが、車やリクシャー(三輪車のタ
クシー)が我先(かなり強引に強引)に割り込んでくる。そのため、事あ
るごとにフォーンを鳴らす。とにかくうるさい。軽度な接触事故は日常茶
飯事であるが、大事故につながらないのが不思議である。
日本からの渡航者は強引な割り込み、道の混雑、さらには上記の(1)
や(2)の状況を体験すると、口を添えて「インドでは運転できない」と
言う。逆にインドの人に言わせると「日本ではスピードが出せるため、運
転が怖い」そうである。インドでは、道路が混雑するだけでなく、路面が
悪い上に牛が道路を横断するなど、スピードが出せないのである。
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