人材育成コラム

リレーコラム

2020/08/20 (第123回)

Withコロナでの気づき

ITスキル研究フォーラム クラウド人材WG主査
通信会社 営業部長

中山 幹公

 梅雨が明け、真夏がようやくやってきたが、世界中の人たちがいままで経験したことのない夏(南半球は冬だが)を迎えている。というわけでコロナ禍以外の話は頭に浮かばないのでまたこのお話をしていきたい。

 ブレーキとアクセルを同時に踏んでいるということで政府の方針が批判を浴びている。しかし、みなさんもビジネス、プライベート両方でブレーキを徐々に弱めるところは弱め、アクセル踏むところは踏み、逆にブレーキを踏み込むところは踏み込み、それぞれの局面で判断しながら生活や仕事をしていることと思う。

 コロナ前は日常的にやっていたことで、まだ再開せずブレーキを踏みっぱなしのものとして私の場合は「ジム通い」がある。
 4月頃に、ジムでクラスタが発生した事案があったことも記憶にあるし、マスクをしながら筋トレをするのも気が引け、またトレーニング後のサウナやシャワーも感染リスクが高いような気がしてしまう。
 そこで、自宅で筋トレをやったり、YouTubeでストレッチ、ヨガなどの動画を見ながら家でやったりするのだが、どうも短時間で飽きてしまい、不定期になってしまう。
 ジムでトレーニングなどを行う場合、志を同じくした同士がたくさんおり、一定の拘束のなかで刺激を受けながら行う。モチベーションもアップし、長時間かつ定期的な実行が可能になっていたのだなとあらためて感じる。

 ビジネスにおいても同様で、在宅勤務がベースになると、職場での一定の拘束や刺激が減り、社員のモチベーション維持向上が課題といえるだろう。
 特に今期入社した新入社員などは、職場でのリアルなコミュニケーションが例年より不足しているだろうから、より心配になってくる。
 各企業においては、リモートでもOne on Oneミーティングを定期的に行ったり、出社するタイミングを合わせて定期的に顔を合わせてコミュニケーションしたりするなど具体的な打ち手が必要だろう。そのような顔を合わせる機会はこれまでよりも貴重な時間となるため、あらかじめ準備をして効果的に時間を使うことが重要である。

 取引先との商談においても、リモートで商談は可能であるし、そのスタイルも定着してきているが、その分リアルに顔を合わせての商談は希少価値のあるものだと感じる。その貴重な時間をいかに効果的に使うかという準備や努力を積み重ねなければならない。また感染リスクを考慮すると、懇親会なども実施しづらいため、飲みながら突っ込んだ情報を得たり、昼間になかなか聞けない情報を引き出したりという技は使えない。そのためリモートでのやりとりも含め日頃の信頼関係を大事にし、飲まなくても深いコミュニケーションのできる関係づくりがより重要になってくる。
 Withコロナ状態であらためて気づいたことだが、これらは実はもともと重要なことであったはずである。コロナが過ぎ去ってもそうした準備や努力は継続すべきであろう。

 事態が好転してきたらいずれジムにもまた行きたいと思っている。その際はジムでのトレーニングは貴重な時間と捉え、短時間かつ効果的なトレーニングやカリキュラム選択をプランニングしたいと思う。

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