人材育成コラム
リレーコラム
2011/10/14 (第20回)
ある企業の内定式での出来事
ITスキル研究フォーラム 理事
NECソフト 技術統括部 統括マネージャー 兼)人事総務部 エグゼクティブエキスパート
福嶋 義弘
先日、ある企業の内定式を視察した。一連のセレモニーの後、社会人予備軍と しての心構えと準備について採用および人材育成担当より講話があった。その中 の出来事である。場面はこれからの半年、社会人になるためのどんなことを心掛 けるか、行動するか。
(1)コミュニケーション能力を発揮し幅広い人脈を造る
(2)グローバルの競争力向上のため、まずは英語力の向上
(3)TPOに合った行動を心掛ける
(4)新聞や書籍により世界や日本の世情を把握する
(5)学業に励み、卒業する
講話の内容はこんな項目である。その中で担当者はこの企業を理解しているか 一般常識は理解しているか、簡単な質問を交えながら場を盛り上げていった。そ の中にこんな質問があった。
「日本の首相の名前を知っていますか?」
指名された学生は沈黙。スタッフは唖然としていた。担当者は
「採用担当と相談させていただきます」(一同爆笑)
今週、ある国立大学で70名程度の学生の前で話す機会があった。上記の話を した後、首相の名前を知っているか聞いてみた。知っていると挙手したのは3分 の1。一方、候補者演説で有名になった「どじょうはどじょうの持ち味がありま す。金魚にはなれません」の「どじょうの宰相」については知名度が高かった。 もっと驚いたのは社会人でも名前を答えられない人が多かったことである。
「どじょうの総理、顔は思い浮かぶのですが。名前は?」
こんな回答が多かった。首相交代の直後であるにしてもあまりの有様である。
ちなみに 第95代内閣総理大臣で名前は野田佳彦氏。54歳で千葉県出身。 松下政経熟第一期生は有名な話。政界に入り苦労したようで、柏の駅前で街頭演 説を繰り返し行ったようである。演説のうまさはこのような経験も活きている気 がする。
3日前の紙面では50~60%の支持率であった。震災復興、普天間問題、経 済立て直しなど課題山積。早く泥沼より顔を出し、日本の舵取りを担う首相とし て万民が名前を理解するように適格な政策を推進してほしいものである。
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