人材育成コラム
リレーコラム
2013/01/17 (第35回)
幸せになるための「超簡単三か条」
ITスキル研究フォーラム 理事
NECソフト 技術統括部 統括マネージャー 兼)人事総務部 エグゼクティブエキスパート
福嶋 義弘
昨年末の選挙により政権が変わり、それとともに株価が上昇、円安も進み景気 回復に期待できる新年である。今回のコラムは薬師寺の大谷徹奘(おおたにてつ じょう)執事のお言葉を紹介する。
大谷執事は、高田好胤(たかだこういん)管主を師としている。高田好胤管主 は1949年、副住職に就任すると、修学旅行の生徒達への法話に力を入れた。 そのユーモアたっぷりで分かりやすい法話は人気を呼んだ。高田の法話を聞いた 生徒は500万人以上にも上るという。何を隠そう私も法話を聞いた一人である。 大谷執事もそんな一人で高田管長に憧れ僧侶になったそうである。
みなさんはお寺と聞いて何を思い浮かべるであろうか。東京で実施したアンケ ートでは60パーセントの人が「墓」と回答。また、僧侶を見かけた時に何を思 い浮かべるかの質問では、90パーセントが「お葬式」と回答したそうである。 ところが、世界遺産に登録されている奈良の法隆寺、薬師寺、東大寺は学問所で あり、これらのお寺には墓もないし、葬儀も営まれてないとのことである。大谷 執事は、1年に約300回、年間約6万人に対し法話をしているそうである。
今回の法話で学んだことは多々あった。その中からひとつ、幸せになるための 「超簡単三か条」を紹介する。ここで言う幸せは「人生を人と人とが仲良く生活 していくこと」と仮定している。人と仲良く生きていけるということは、家庭、 会社や学校など、何処でもいい人間関係をつくれる。そして人間関係にさえ恵ま れれば、人生はほぼ上手くいくということである。
三か条は、「怒らない」「いばらない」「笑顔でありがとう」である。
一つ目は「怒らない」。小さなことに腹を立てない、自分の思い通りにならな いからと言って腹を立てない。世の中が自分の思い通りにいくと思っていること 自体が大きな錯覚なのである。腹を立てるのはこちらの勝手な都合である。自分 には自分の都合があるように、人には人の都合があると考え、寛容になることで ある。
二つ目は、「いばらない」。人は権威、過去の経験や成功などの経験から自分 を特別であると考え行動する。これが「いばり」になる。このような行動は良い 人間関係を阻害するのである。
最後は「笑顔でありがとう」。少しでも思い通りにならないと、怒りだすまで はいかないが、ムッとした表情になる、あきらかに不機嫌とわかる表情になる。 それが上司だったら、部下はいつも顔色を窺ってビクビクしなければならない。 笑顔は場を和ませる特効薬である。最近感じるのは、道を譲っても、何かしてあ げても、感謝の一言がないこと。寂しいことである、そんな場面で「笑顔であり がとう」といってほしい。
人間は生きている間、人との関係を続けなければならない。それであるならば 良好な関係を継続することは重要なことである。年初に当たり今年の心構えにし ようと決意した。
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