人材育成コラム

リレーコラム

2018/3/20 (第94回)

一般社団法人iCD協会設立、iCD普及に加速か

ITスキル研究フォーラム 理事
株式会社アイテック 顧問

福嶋 義弘

 日本人選手が大活躍した、平昌五輪が終了、パラリンピックの熱い戦いが続いた。熱い戦いといえば、五輪に隠れ国会が開催されている。今国会において、紛糾する審議の一つに「働き方改革」がある、年間総実労働時間・所定外労働時間が全産業平均に比べて高水準なIT業界は、長時間労働が問題視され対策を求められている。

 IT業界では、働く環境の向上を図るために「あるべき働き方」を示し、労働時間の適正化を図り、ワークライフバランスを実現し、 従業員満足度倍増および女性の活躍などを目標として掲げている。また、働く一人ひとりが自身の仕事に誇りを持ち、経営の主体性を保持し、魅力ある産業を実現し、様々な社会的要請に対応し、自らが企業や産業とともに成長できる環境づくりを目指しているわけである。

 特に、働き方(ワークスタイル)を見直し、長年の課題でもある長時間労働を抑制し、年次有給休暇の取得促進を効果的に進めることが必要になっている。働き方のトレンドとしてはダイバーシティの促進により、柔軟性の確保、多様な人材の活躍、ひいては企業の生産性向上を推進するワークライフバランスの実現が必要となっている。
 世界的にデジタルビジネス革命が進展し、全く新しいビジネスが出現する一方で、既存のビジネスは破壊的変革を迫られているわけである。

 そんな、生産性の向上、リクルーティング、人材育成の一助となるツールがiコンピテンシディクショナリである。
 「iコンピテンシディクショナリ(iCD)」は2014年に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)より公開され約4年。活用企業も増え企業認証を受けた社は1,000社を超えた。この業界は「人財が宝」といわれつつも、まだまだ人材育成は充実されているといいがたいのが現状である。そんな人材育成のツールとして公開されたのがiCDである。iCDは公開後、改訂や活用システム構築、機能強化を行ってきたが、昨年末にプロジェクトが終了した。今後もIOT、AI、サイバーセキュリティなどの技術動向や市場状況の変化に対応するiCDの改訂、活用システムの活用サービスの整備、導入支援など普及推進する組織が必要との声があり、IPA、関連団体の協力でiCD協会が2月1日に設立された。

 協会の役割は設立案内より抜粋すると、「iCD協会は、iCDを中心とした3つの事業ビジョン(iCD活用推進・支援、iCD体系整備、iCD基盤構築)を策定し、協会や地域の垣根を超えた活動を行う。すでに活用しているiCDユーザー企業に対し、iCD最新動向やユーザー企業同士の情報交換を実施し、ビジネスマッチングや人材交流を図り、iCDユーザー企業の発展を支援する。また、カンファレンスや説明会等により国内でのiCD認知度の向上を図るとともに、iCD活用ワークショップ等の実活用の機会を提供して幅広いファン作りを行う。さらに、学校関係および教育ベンダー企業と協力し、カリキュラムや研修手法を研究する場を設け、iCDを活用した人材育成施策を実行する体制を確立する。」である。

■詳細は、特定非営利活動法人 スキル標準ユーザー協会ホームページを参照
http://www.ssug.jp/info/000226.php

■iCD協会のサービス開始は4月1日となる。IT業界の働き方変革、人材育成の現状打破の支援サービスとなることを期待する。現在、活動開始に先駆け、第1期会員を募集している。限定100社(100社集まり次第、終了)、入会金無料の第1期会員入会キャンペーンを実施している。
http://www.ssug.jp/info/000223.php


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