事例レポート

(※ 過去バーションのDSシリーズでの利用事例を含みます)


ITSS-DS事例


TIS

自分自身が市場でどのくらいの価値があるかを見ることで、個人個人が成長しようという意欲につながった。


(前ページからの続き)


人事部の施策と連動した必然性のある運用が効果

 導入にあたっての方針は2点。①人事部の現行制度・施策と連動させ、必然性のある運用を行うこと、そして②人材育成の課題抽出と対策に結果を活用するということだったとのこと。

 具体的には、部門責任者が作成する「教育計画書」に診断結果を添付し、社員の目標設定のメンテナンスとOJTの参考資料としている。キャリアデザイン時に、社員が自分自身の診断結果を見ながら目標とする職種とそのレベルを記入し、上司と相談していることもITSSが実効を上げる重要なポイントであるとのこと。

人材育成の課題と対策

 人材育成の課題抽出について尋ねてみた。南部氏は4点ほどあげてくれた。まず、①「全社の技術力分析」や「業界における当社の技術力分析」は自社や全国のデータを分析し、職種、レベルの人材数とビジネス状況に相関があるなどわかったことは大きい。②経年の調査により職種の構成人材とキャリア変更のパスが見えてきた。社員の「キャリア形成の検証」である。③「必要人材の過不足分析」により人材の過不足も見えてきた。診断結果を見て、部門長が必要な人材・職種・レベルを算定し、補強すべき職種を絞り込むことも実行しているとのこと。そして4番目に「重点強化人材の分析」を上げてくれた。スキルレベルを1ランク上げるための対策は難題であり、明確な解答を得られたわけではないが、取り組むべき課題が社内の共通認識としてもてただけでも価値があると南部氏は考えている。


必要人材の分析や要員構成などが見えてきた

 例えば、特定職種の人材は充足しているものの、必要レベルに達していないなどの具体的な問題点もあぶりだされ、レベルアップの施策が必要だということが明確になったという。ビジネス目標の達成に必要な職種レベルの人材戦略、育成や調達が妥当性を持って想定できるというのは大きな成果だ。「継続して診断を行っていると、毎年の社員のレベルが0.1ポイントずつぐらい上がっています。まずは社員の技術力の底上げという目標は着実に社員に理解されつつありますね。また、診断を受けてもらうときに役割のモデルとして職種を認識してもらうことで、次第に適切な職種を選択できるようになってきました。」(南部氏)

  「組織力を強化するためには、個の力を強く」という社の意思は明確に社員に伝わり、実現しつつあるようだ。これからも継続的な活用情報を期待できそうだ。


Company Profile

TIS株式会社

所在地 東京都港区海岸1-14-5
設立 1971年4月28日
資本金 231億1千万円
URL http://www.tis.co.jp/
事業内容 ソフトウェア開発、アウトソーシングサービス、ソリューションサービス
担当部署 人事部

人事、評価、採用から人材育成、エンジニアの育成まで、「人」にかかわるすべての業務を担当している。ITSSやエンジニアの育成のための体制や制度などの「仕組み」づくりは、中でも重要な仕事のひとつである。


※記載内容は記事掲載当時のものです